DIYブログや本に良く目にする「コーススレッド」
ネジとか釘とかビスは聞いたことがあると思いますが、普段の生活でコーススレッドはなじみがないので「???」となってしまうことも多いはず。
ずばりコーススレッドとは「釘を強力にしたもの」です。
この記事ではコーススレッドは実際にどんなものなのか?特徴や種類、使い方をご説明します。
コーススレッドの特徴
別名粗目造作ビスと言います。
木と木を止めるためには、釘を使うというイメージがあると思います。大工さんが釘を打っているイメージですね。
実はあのイメージはもう過去のものなのです。
釘は表面がギザギザしていないので締結力が弱く、外れる方向に引っ張ると結構簡単に外れてしまいます。
そこで登場したのがコーススレッドです。ネジを釘のように細く長くし、釘の代用にしました。さらにネジ山とピッチを大きくすることで締結力を増大させ、締結力は釘の5倍とも言われています。
釘と違ってネジ山がある分太くなっているので木材が割れやすく、柔らかい木材を使うときは下穴を開ける
コーススレッドの種類
コーススレッドには全ネジと半ネジというものがあります。どちらを選ぶかで作業性がかなり変わってくるので必ず押さえておきたいポイントです。
全ネジ:ネジ頭~先端までネジが切られたもの
半ネジ:ネジ頭~1/3程度まではネジが切られていないもの
『基本半ネジを選んでおけばOKです』
理由を下で説明していきます。
半ネジ
半ネジの場合ネジが利くのは下の木材(B)です。上の木材(A)にはネジは利きません。そのためネジ頭と木材(B)の間に木材(A)が挟まれていき、2つの木材が隙間なく締結されます。
ネジを打つ時にしっかりと固定しなくてもきちんと締まってくれるので、作業性は非常に良いです。
全ネジ
全ネジの場合、上の木材(A)と下の木材(B)の両方にネジが利きます。すると木材(A)と木材(B)の間に隙間が空いてしまうと、その隙間が空いたまま締結されてしまいます。
全ネジで木材を締結する場合はクランプなどでしっかりと隙間なく固定した状態で打つことがとても重要です。
作業は面倒ですが、経年劣化で木が痩せてしまってもガタつきなどが生じにくいという利点もあります。
短いコーススレッドは全ネジしか無い!?
余談ですが、ホームセンターで売っている短いコーススレッドは全ネジしかないことが多いです。本当はちゃんと半ネジもありますが、流通の関係上全ネジが多いようです。
半ネジをどうしても手に入れたい方は、『Monotaro』でゲットしましょう。送料はかかりますが、なんでも揃います。ただ短いネジの場合は強度は木ネジでも十分かと思います。
コーススレッドの使い方(下穴の径と深さ/必要な長さ)
下穴の径と深さ
実際にコーススレッドを使用するためには下穴が必要です。(必須ではないですが)
コーススレッドには『3.8×51』のような表記がされています。
この場合
3.8=呼び径(太さ)
51=呼び長さ(長さ)を指します。※用語の詳細な説明はこちらの記事を参照ください。
下穴径は呼び径の70%
下穴深さは呼び長さの50% が一般的です。
上の例ですと
下穴径は2.5mm~2.6mm
下穴深さは25mm が適切ですね。
この数値はあくまで目安です。
下穴径については、柔らかい材料(SPF/桐/ファルカタ等)では50%でも十分です、70%もあけるとネジが利かなくなってしまうこともあります。硬い材料(ハードウッド)では最低でも70%あけると良いと思います。
下穴深さについてはそこまで神経質にならなくても良いです。多少深く打ってしまってもそこまで強度は落ちません。
必要な長さ
コーススレッドの長さをどうやって決めるのかは、締め付ける材料の厚みによります。締め付ける上の木材(A)の厚みの2倍以上の長さがあると十分です。
板厚25mmの木材を締め付けたい場合はコーススレッドの長さは50mm以上があると良いですね。
ただあくまでも「推奨」です。絶対こうじゃなきゃだめ!というわけではありませんのでご安心を!
同じ厚みの板同士を取り付ける場合は、2倍以上の長さを選んだら突き抜けてしまうので、この場合は短いコーススレッドで十分OKです。心配であれば打ち付けるコーススレッドの数を増やせばOKですよ。
まとめ
コーススレッドはDIYをする上では必ず使うので、簡単な使い方を知っているだけで選び間違いなどの失敗を防げます。
とくに全ネジと半ネジの違いは結構厄介なので気を付けてくださいね。
それではみなさんも、楽しいDIYライフを!