YouTubeやテレビ、雑誌でも取り上げられてDIYが当たり前の時代。
ただ、実際にどんな木材で作ったらいいのかは初めはわかりません。
ということで、まずはホームセンターにどんな木材があってどんな特徴があるのかをご紹介します!ポイントを押さておけば、用途がわかってきます。
※ご紹介する木材が全てのお近くのホームセンターにあるとは限りませんのでご了承下さい。
まずはこの2つを押さえておけばOK!SPFとパイン集成材
まず結論言いますと、SPFとパイン集成材さえあれば大体のものはできてしまいます。それだけ万能な木材です。
棚から壁面収納もできる!『SPF』
SPFは建築木材の細長い木です。建築工法でツーバイフォー工法という言葉を聞いた方も多いと思います。
細長いので、切ってつなげたり、組み立てたりするのが前提になります。もしくは「ディアウォール」「ラブリコ」を使って壁に取り付け棚の柱にすることもできますよ。
天板や本棚などの家具を作るなら『パイン集成材』
パイン集成材さえあれば、テーブルの天板や本棚などの大型家具も作れちゃいます。
色も濃くないのでカラーリングで自分の好きな色に変えることができるのも魅力です。
DIYの初めは、SPFとパイン集成材さえ覚えておけばOKです!
ここからは少し詳しく解説していきますよ!
木材の種類~3つの分類~
DIYに限らず、工作材料としてホームセンターの木材は3つに分類されます。
『無垢材』
『集成材』
『合板』
の3つです。ホームセンターで簡単に手に入ります。
この3つの木材ついて簡単に説明します。
無垢材
無垢材は、原木から必要な寸法に直接切り出された木のことです。
つぎはぎはなく、自然な原木の木目や性質をそのままに感じられます。
よく一枚板のテーブルとか聞きますよね?あれも無垢材。
ホームセンターに無垢ボードとして置いているのは、無垢材ではなく集成材なのでお間違いなく。見た目では1枚板に見えますが、よく見ると継ぎはぎがあります。
無垢材のデメリットとしては、原木そのままをカットしているので、乾燥が進んだりするとあとから反ったりひび割れができたりすることがあります。
しかし、それも味になるとういう見方もできます。
最近は足場で使われた足場板という無垢材をフローリングの材料に使う方も多いです。
集成材
集成材は無垢材を小さく切り出して、接着剤などで貼り合わせた木材のことです。
無垢ボードとも呼ばれています。
強度が高く反りやひび割れが少ないため、寸法精度も安定しておりとても扱いやすいですよ。
さらに集成材は、組み合わせて作れるので広い面積にできるんですよね。なので扉やフローリング、テーブル、棚等色んな所に使えます。
初めてのDIYには集成材が最適です。
ホームセンターによっては無料で材料カットしてくれるので是非活用して見てくださいね。
合板
合板は、大根のかつら向きのように薄く切った板を、繊維方向を互いちがいに重ね合わせて接着剤などでくっつけた木のことです。
断面を見るとわかりますが、何層にもなっています。薄くても強度がとても高いため厚みが10mmとか12mmで売られているのが一般的です。
DIY用というより、どちらかというと建築資材で使われることが多いですが、合板は業者が大量に使うので、めっちゃ安いです。
1畳くらいの木材が1000円位で買えるので、棚板とかに使ってもいいと思います。
木の種類~無垢材~
まずはホームセンターで手に入る無垢材をご紹介します。
DIYの定番『SPF/ホワイトウッド』
さきほどもご紹介したSPFです。
SPFはスプルーフ(エゾ松)、パイン(松)、ファー(もみ)の頭文字をとったものでこれら3種が混在した木材です。
ホワイトウッドはヨーロッパ産のスプルースなどの白木針葉樹の総称です。産地が違うだけで特徴などは同じです。
ホームセンターで木材といえばコレ!というほど定番で、サイズのバリエーションもかなり豊富です。
とても柔らかいためノコギリでも簡単にカットでき、ビスも下穴不要です。
表面性も良くプレナー加工(カンナがけ)をされているので、ヤスリもそこまで大変じゃないですよ。
ただしSPF材は細長い木材なので、棚板やちょっとした木枠を組んだりするのに向いていますが、テーブルや家具を作るのには不向きです。
他には、水に弱く腐りやすいため屋外で使用する時は注意です!屋外用塗装を必ず行いましょう。(シロアリも大好き。)
→SPF/ホワイトウッドで作ったDIY作品(ストーブガード)
→SPF/ホワイトウッドで作ったDIY作品(手作りトーマス)
→SPF/ホワイトウッドで作ったDIY作品(ウッドフェンス)
→SPF/ホワイトウッドで作ったDIY作品(すべり台)
無塗装でヴィンテージの風合い『サーモウッド』
サーモウッドは上で紹介したSPF材を高熱乾燥処理することで、防水・防虫・防腐効果を高め耐久性を向上させた木材です。
簡単に言うと燻製にした感じですね。匂いはまさに燻製の匂いがします。
耐久性は高いにも関わらず、加工のしやすさはSPF材と大差はありません。
あらかじめ乾燥させているためとても軽いことと、反りなどの寸法の狂いが少ないのが特徴です。
デメリットとしては、高熱処理によって茶色くなっているので、水がかかると茶色い水となって染み出てくることなどがあげられます。
乾燥させているためSPFより小さく出来ています。使用する場合は、ホームセンターなどに直接連絡して寸法を確認しましょう。
屋外で使用できる木材の中では極めて軽く扱いやすい木材です。
あくまでSPF材のため、屋外塗料を塗って使った方がいいですね。
水に強い『ヒノキ』
皆さんご存知、ヒノキ風呂で使用されるヒノキです。
築1300年の法隆寺の建築材料としても使用されており、防虫・殺菌・耐久性に優れており
香りや肌触りがよく、家のフローリングやすのこ等人の肌に触れる箇所によく使われます。
風呂場で使用されている様に、湿気にも強いという特徴があります。シロアリ/湿気に強いことから屋外でも使用することが出来ます。
機能が優れている分、SPF材と比較すると価格は2倍程度します。
木目が美しい『スギ』は天板にも最適
花粉症患者を悩ますあのスギです。
あれだけ花粉を撒き散らすわけですから、流通量が多いです。そのためかなり安価に手に入ります。
表面を綺麗に加工した材料はありますが、お店の外に置いてあるほそ長い杉材は素手では触れないくらいザラザラしています。
表面加工がされていない杉は杭など少し使って捨てられることが多いので非常に安いです。
屋内ではちゃんと表面をきれいにしてあるものを使用したほうが無難ですね。その代わり高いです…。
杉は木目が強く出るため木目を生かした塗装(ステインなど)をすると、より美しい外観が得られます。
木の種類~集成材~
続いてホームセンターで手に入る集成材を紹介していきます。
天板にも最適!万能材料『パイン集成材』
先ほど冒頭でもご紹介したパイン集成材です。
原材料はパイン=松ですね。
集成材といえばコレ!といえるほど一般的です。
少し黄色かかった白い色合いはそのまま使えばナチュラル系家具に、塗装すればヴィンテージ風などにもできるので、様々な色合いを楽しめます。
サイズも非常に多くテーブル天板や棚板用にカットされた商品もあります。
これさえあれば大体のものは製作出来ますよ。
ただし、ホームセンターで選ぶ時は「ヤニ」に注意です。
ヤニとは樹液の部分のことです。木材ではなく半透明の黄色のような色をしており、強度はほぼありません。ヤニ部分は穴と考えておきましょう。
ヤニがある商品はなるべく避けて購入してくださいね。裏に意図的に隠してある商品もあるのでご注意ください!
DIY上級者向け『桐集成材』
桐タンスでおなじみの桐です。
桐は白い木肌が特徴で狂いが少なく、調湿効果に優れた木材です。
とても軽く初心者でも扱いやすい反面、強度が低いため本棚など重量物の収納には向いていません。引き出しや小物、天板などの使用に適しています。
ホームセンターでは焼桐集成材もあり、表面をバーナーで焼いてロウを塗布して仕上げられているものもありました。
表面の木目が強調され、そのまま天板に使用すればインパクトのあるインテリアになりますよ!
注目度No.1『アカシア集成材』
近年流通しだした材料で、高級木材であるウォールナット材の代用として注目されています。
色は黄褐色で、木の場所によって色が変わるので、集成材にすると美しいモザイク柄が現れます。
そのまま小物や家具を作っても、素敵な風合いが楽しめます。
私も最近ホームセンターで見かけるようになって、これでDIYしてみたいな~と思っています。
アカシアの無垢材はIKEAの屋外用のフロアデッキやイス・テーブルや、ニトリのキャンプ用の椅子にも使用されており、最近人気の高い木材ですね。
→アカシア集成材で作ったDIY作品(ピアノ机)
→アカシア集成材で作ったDIY作品(ペット用フードスタンド)
水回りのDIYに最適!『ヒノキ集成材』
無垢材で紹介したヒノキを接着材でつなぎ合わせたものです。
特徴は同様に水に強いことです。他にも耐久性に優れており、パイン集成材とならび万能な木材です。
パイン材ほどサイズの種類は豊富ではなく、またパイン材と比べると若干高いです。
おもちゃなどの工作に便利!『ファルカタ集成材』
ファルカタはマメ科植物で木というより草に近い風合いで、とにかく軽いというのが特徴です。
その反面強度としては弱く、引き出しや軽いものを置く所の天板など、荷重がかからないものに使用するのがいいですね。
子ども用のおもちゃなんかに使ってもいいかもしれません。
木の種類~合板~
続いてホームセンターで手に入る合板についてご紹介していきます。
『ラワン合板』
ラワン合板は広葉樹の合板です。
一般的にべニアといえばこのラワン合板のことを指します。
ただ、木目がほとんど見えないので木目を活かしたものを作るときにはちょっと不向きです。
合板は1800mm×900mmで1000円程度で購入できますがとても大きいので、ホームセンターのカットサービスなどを使用すると便利ですよ。
表面の木目を生かすと大化け!『ラーチ合板(構造用合板)』
ラーチ合板は針葉樹の合板です。
ラワン合板と比べ木目がはっきりしています。
断面が見えなければ一枚板のように見えるので、使い方によっては高級に見せることが出来ます。
子ども用の本棚を作りましたが、けっこう高級感がでます!
またラーチ合板を内装材に使用し、クロスを貼らずに木目をあえて見せるような使い方もできます。
価格がとても安いので、個人的にはとてもおすすめの木材です。
→ラーチ合板で作ったDIY作品(棚板)
→ラーチ合板で作ったDIY作品(明治牛乳の宅配ボックス)
なめらかな手触りで仕上げ材に最適!『シナ合板』
シナ合板はその名の通り「シナ」という木の合板です。
ラワン合板とラーチ合板と比べ表面が非常に滑らかなので、ヤスリがけ無しでも人が触れる所に使用することが出来ます。
押し入れや収納をあけてみると内装材にシナ合板が使用されていることが多いかと思います。
価格は表面性に優れていることから、ラワン/ラーチ合板の2倍程度します。
おしゃれな見た目No.1!『OSB合板』
DIYerに非常に人気のある木材です。
特徴は何といっても見た目。とてもおしゃれです。
ちょっとしたBOXや棚、テーブルの天板から家の内装材など幅広く使用できます。
アスペンという丸太の木材を木片にし、繊維の向きを揃え接着剤で押し固めた板材を、表裏と芯材とで繊維が直交するように貼り合わせた合板です。
木片も使用できるため環境にやさしい木材です。圧縮成形されているため、とても重く取り扱いは少々注意が必要です。
すべり台の定番『コンパネ(コンクリートパネル)』
コンクリートを成形するための型枠をの役目をするラワン合板です。
写真はパネコートという木材で、固まったコンクリートが剥離しやすいようにあらかじめ片面をウレタンでコーティングされています。
あまり使用する機会はありませんが、モルタルで型枠を使う場合に使うかもしれませんね。
またウレタンコートは表面性がよいため、子供のすべり台に使っている方もいるようです。
工作や背板に最適!『MDF』
カラーボックスの背板で良く見る木材です。
木を細胞レベルまで細かくした上で接着剤と混ぜ、圧縮成形した木材です。
反りやひび割れなどはなく、非常に安価に手に入ります。
しかし、紙と同じような作りのため、湿気などの水に弱くカビが生えやすいです。
また柔らかいので、ビスが利きづらいこともデメリットとして挙げられます。
ホームセンターでの木材の選び方
集成材や合板は反りやひびが入りにくいので特に注意することはありません。
今回は無垢材の木の選び方をご紹介します。
無垢材は反りやひび割れが出やすく、ものによって出来が全く異なります。ホームセンターで購入する際は必ず1本1本チェックしましょう。
下にあるポイントは他の材料でも同じです。無垢材購入時はチェックしてみて下さいね。
購入時のチェックポイント
①反り/ひび/割れ/ねじれはないか
②節が多くないか
③ヤニはないか
①反り/ひび割れ/ねじれはないか
1本ずつ平らな床に置いて、反っていないか確認します。
くるくる回しながら4辺すべて行いましょう。
意外と「えっ!こっちも反ってる」となることが多いです。
②節が多くないか
節が多いと購入時に曲がっていないように見えても、乾燥が進むと節を起点に大きく反りやすくなります。
また、節は非常に硬いためビスやドリルが入りにくいです。
③ヤニはないか
上の写真のように針葉樹の木にはヤニと呼ばれる脂分が含まれています。黄色くべたべたしたヤニが溜まった所がヤニツボです。
ヤニツボは穴にヤニが入っているだけなので、言ってしまえばただの穴です。強度が落ちてしまうので極力避けるようにましょう。
まとめ
ホームセンターには色んな種類の木材があります。
ご自身で作りたいものによって、選んでみてくださいね。
どの材料で作ったらよいかわからなかったら気軽にメッセージくださいね。
さらに、もの足りないとなったら通販でしか手に入らない木材にも挑戦してみましょう!
ではでは楽しいDIYライフを!!